男性の香水には、少し抵抗があった。
若い頃から、整髪量も使わなかった。
その僕に、香水のプレゼントが届いた。
驚いたことに、
フランス製の香水のボトルの入った箱に、
点字があった。
何となくうれしくて、たまにつけている。
柑橘系のさわやかな香りだ。
ちょっとオシャレだなと、
自分では気にいっていた。
視覚障害者の後輩の男性に、
「松永さん、香水つけてます?」
僕は、ニヤリとしながら、
「結構いい香りだと思うやろ。
フランスのロクシタンっていう香水!」
自慢気に説明した。
後輩がすかさず答えた。
「加齢臭にばっちりですね。
視覚障害者は臭いに敏感ですからね。」
臭いのためじゃなく、香りのつもりだったんだけど。
いろんな感じ方があるんですね、本当にもう!
(2013年11月16日)