いつものホテルでは、
3階のいつもの部屋が準備してくれてあった。
エスカレーターから一番近い部屋だ。
毎年同じホテルなので、部屋の位置関係なども記憶している。
朝、身支度をすませて、
2階の食堂スペースへ降りる。
エレベーターを降りて、
壁沿いに進んだ一番近い部屋に、
朝食の準備がしてある。
一般客は使用しない部屋だ。
本来はバイキングスタイルなのだが、
スタッフの方が、
見えない僕のために特別に準備してくださるのだ。
そして驚くことに、
この4日間、毎朝少しずつ内容が違うのだ。
ただサポートするというだけでなく、
おもてなしの心が伝わってくる。
僕は、自然に合掌し、いただきますとごちそうさまを唱える。
見えなくなって、様々な人達のさりげないやさしさに触れることが多い。
今日の講演でも、僕は子供達に伝えた。
「助け合えるって人間だけだよね。人間って素敵だよね。」
また、来年も元気で、このホテルに戻りたい。
(2013年10月18日)