友人に手引きしてもらって、
四条河原町の地下道を歩いていた。
新京極商店街にある喫茶店に行く途中だった。
階段の手前で、突然呼び止められた。
「松永さん。!」
彼女はニコニコしていた。
僕は、こんにちはと言いながら、誰か尋ねた。
どこかで講演を聞いたとか、本を読んだとか、
週に一人か二人はそんな人に出会う。
「松永さんは私のことは知りません。テレビで見て憶えていました。
だから、ただ、声をかけてみました。」
僕はとってもうれしくなった。
幾度かテレビに出演したりしたことがあるが、
直近でももう5年くらい前だと思う。
とても長い時間が流れているのだ。
映像の力って凄いなと思ったし、
声をかけようと思ってくださったのは、
きっといい番組だったということだろう。
あらためて、番組作りに関わってくださった人達への感謝の気持ちが溢れてきた。
文字にしても、映像にしても、
前を向いてメッセージを発信していくこと、
とても大切な未来への種蒔きだ。
これからも、僕にできることを、コツコツと続けたい。
それにしても、すぐに判ってもらえたということは、
5年経ったけど、
そんなに風貌は変化していないってこと?
やったぁ!
髪の毛を洗うたびに、触覚が老いを伝えてくれるものですから。
(2013年9月8日)