今日はハードなスケジュールだった。
午前中に、宇治市にある専門学校のオープンキャンパスで授業をして、
終わるとすぐに、
電車で市内へ向かった。
御所の近くのホテルで、先輩の受賞祝賀会に出席し、
終了後は、そこから知人との待ち合わせ場所までタクシーで移動した。
無事打ち合わせを終えて、
18時半からのボランティア講座に間に合うようにバスに乗車した時には、
さすがに疲労を感じていた。
バスは結構の人だったので、
僕は乗車口のところで、
近くの手すりを持って立っていた。
バスが動き出してすぐに、
「前の座席が空いているけど、座りますか?」
やさしい声がした。
僕はお礼を言いながら、バスの前方に移動を始めた。
「座席は段差がある場所だけど、大丈夫ですか?」
その声で、中学生くらいだと判った。
僕が座席に座ると、四人組の女の子達は挨拶をしてくれた。
以前、小学校の時に僕の講演を聞いてくれていた彼女達は、
中学生になっていた。
バスケット部の練習試合の帰りだとのことだった。
目的地までのバスの車内、
彼女達のキラキラした弾む声が聞こえていた。
僕はふと、自分の中学時代を思い浮かべた。
障害を持った人に声をかけてサポートをするなんて、
その当時の僕には、決してできないことだった。
彼女達の屈託のない笑い声を聞きながら、
疲れがとれていくのを感じた。
いや、元気が出てきた。
キラキラしている彼女達がつくってくれる未来は、きっとキラキラしているだろう。
これから始まるボランティア講座でも、しっかりと未来を見つめて話をしたいと思った。
「ありがとう。」
僕は心をこめて、
彼女達にお礼を言ってバスを降りた。
(2013年8月31日)