今日は休日だったのだけれど、
さわさわで胡麻をつく作業をするとのことだったので、
ちょっと覗いてみることにした。
友人と桂で待ち合わせて電車に乗った。
四条河原町で下車したら、
ホームには、祇園祭のコンチキチんの鐘の音が流れていた。
毎年7月になると、
季節の効果音として流れるのだ。
音や香りで季節を感じる僕にとっては、
うれしいサービスだ。
改札を出て地上に上ると、四条河原町の交差点は動けないほどの人ごみだった。
本物のコンチキチンの音が流れてきた。
今日は祇園祭の山鉾巡行だったのだ。
目前で、クライマックスの辻回しが繰り広げられていた。
「本物のコンチキチンを聞けば、一年間無病息災ですよ。」
友人は足を止め、笑顔でつぶやいた。
僕もつられて立ち止まった。
コンチキチンの音色が、暑さの中に響いた。
平安の昔から、人間は幸せを求めて、
このお祭りに参加してきたのだろう。
何か不思議な感じがした。
僕も元気で過ごせますように、
しっかりと白杖を握り締めた。
(2013年7月17日)