10年ぶりくらいに飛行機に乗った。
見えてる頃は、窓から雲を見たり機内で週刊誌を読んだりして
それなりに、飛行機の旅も楽しんでいた。
ところが、見えなくなってから最初に乗った飛行機は、ただ気圧と振動との戦い
だった。とても怖かった。
それ以来、少々時間がかかっても、列車を選択してきた。
今回は、仕方なくだった。
飛行機でなければ、新潟市でのイベントに間に合わないのだ。
天候不順で、決して快適なフライトではなかった。
僕はただあきらめの境地の世界だった。
一緒に搭乗した友人が、時々、窓から見える景色を届けてくれた。
新潟の上空にさしかかった時、
「さすが新潟ですね。田んぼが見事な碁盤の目のようです。緑が生き生きとして、
米どころです。」
ひきつっていた僕の顔に、やっと笑みがこぼれた。
子供の頃、毎日見ていた、田植えの後の
豊かな緑を思い出した。
映像ってやさしいよね。
でもやっぱり、僕は臆病者です。
今後もできるだけ、列車にします。
(2013年6月21日)