京都市の中途失明者点字講習会の卒業式に参加した。
寒い季節の講習会は、たった3人の参加だった。
40歳で失明した僕自身も、
それから点字を学んだので、
それがどんなに大変なことかも判っているし、
実際、点字を読むスピードも遅い。
点字を読めるようになるには、
失明と向かい合い、受け止め、学ぼうとする気持ちと根気が大切だ。
そして、それをサポートする講師と教えてくれる場所も必要になってくる。
幸い、僕の暮らす京都市にはそれが整っているが、
日本全体で考えると、
学ぶチャンスさえない中途失明者の方が多いのだろう。
日本全体で、機会が保障されるようになってと願う。
修了証書に書かれた点字の文章を、
僕は、左手の人差し指でたどたどしく読んだ。
心を込めて読んだ。
終了後、一人の卒業生が感想を述べられた。
「もう少し読めるようになったら、小学校などで子供達に伝えるのが、僕の夢で
す。」
70歳を超えてほとんど見えなくなった彼は、
堂々と夢を語った。
とても素敵だった。
学ぶという気持ちは、夢や希望を生み出すのだろう。
どんな状態でも、どんな時でも、やっぱり大切なことなのだ。
(2013年3月22日)