家を6時に出て、京都駅を7時過ぎの新幹線で東京へ向かい、
会議が終了してすぐに帰路に着いても、
帰宅は22時になる。
日帰りの東京はつらい。
さすがに今朝は寝坊して、
友人達とのランチの待ち合わせに少し遅れた。
遅れても、ちゃんと待っていてくれる友人達だ。
久しぶりの休日、仲良し3人でのランチは、穏やかで豊かなひとときだった。
美味しいものを食べると、心まで満足する。
食いしん坊なのかなぁ。
帰りに、阪急河原町駅まで送ってもらったら、
駅は改装工事が終わって、
リニューアルしていた。
記憶にあった駅の見取り図を書き換えなければいけない。
これは結構大変な作業だ。
目があれば何でもないことが、
とても難しくなる。
何度も点字ブロックに沿って歩きながら、
頭の中の古い地図を消して、
新しい地図を描いていく。
納得するまで何度も歩く。
友人達は、そっと後ろから着いてくる。
僕が単独歩行の時は、命がけでここを歩かなければいけないことを、
友人達は理解している。
だから、何度でも付き合ってくれる。
何度か歩いて、やっと地図が完成。
一人で改札を入って、
ホームへつながる階段にたどり着いた時、
改札の向こうから、
「今日はありがとう。さようなら」の声が聞こえた。
きっと、祈るような気持ちで、僕の姿を追いかけてくれていたのだろう。
無事階段の入り口にたどり着いた僕に、
エールを送ってくれたのだ。
僕の目になってくれる人がいる。
僕の杖になってくれる人がいる。
それは、とっても幸せなこと。
しっかりと白杖を持って、未来に向かって歩いていくよ。
(2013年3月19日)