いつものように白杖を持ち、
いつものようにリュックサックを背負い、
いつものように歩いた。
いや、いつもより、ちょっとスピードを落として、
いつもより慎重に歩いた。
風邪気味で少しふらついているのが判っているからだ。
ところがここ数日、サポートを申し出てくださる人に出会わない。
極端に出会わない。
僕ははっと気づいた。
マスク!
少し咳き込むのでマスクをしているのだ。
ふっと、自分の姿を思い浮かべた。
黒いサングラスに大きな白いマスク、
見える人から、きっと、僕の表情などは判らないだろう。
不審者かな?
かと言って、マスクをはずして咳き込むのも迷惑だし、
マスクにハートマークでも描いてもらおうか。
でも、余計に不審者の気もするし。
早く風邪を治したい!
(2013年2月4日)