後輩達と、ティータイムをした。
視覚障害に加えて、
もうひとつ障害がある人、
生命の危機につながるような病気と付き合っている人、
長い時間、家に引きこもっていた人、
でも、後輩達に重たさはない。
楽しいおしゃべりは続き、笑い声が止まらない。
「誕生日って、また年をとるんだという感覚だったのに、
命が終わるかもしれないという経験をした後は、
心からうれしく感じるようになったよね。」
「毎日の暮らしで、出かける用事があるって、
それだけで、うれしいね。」
「こうして、毎日があるのが幸せだよね。」
さりげない会話が、僕の心に染み渡る。
僕は、後輩達のおしゃべりを聞きながら、
ファミリーレストランのドリンクバーの、
ちょっとぬるいコーヒーをすすった。
日常、コーヒーをよく飲むにしては、
コーヒーの味はわからないのだけれど、
今日のコーヒーは格別だった。
後輩達の輪の中に入れてもらえていることに、
心から感謝した。
年齢は、僕が上だけど、
教えてもらうことの方が多い。
このきらめく生命に、
拍手を送れる自分でありたい。
送り続けられる生き方をしたい。
帰宅してメールチェックをしたら、
最近の講演を聞いてくださった先輩から
初心忘れるべからずとの提言が届いていた。
講演が日常のようになっている僕にとって、
拍手されることに慣れていってしまっている現実がある。
拍手される人生よりも、
誰かに拍手をおくれる人生が、
豊かであることは知っている。
謙虚な心を、大切にしなければ。
(2013年1月13日)