朝、いつものバス停からバスに乗った。
バスは、沢山の乗客だった。
大吉の日は、乗車した時点で、
僕に気づいた運転手さんとか乗客の方が声をかけてくださる。
空いている席を教えてくださったり、譲ってくださったり。
中吉の日は、途中で誰かが声をかけてくださる。
小吉の日は、たまたま偶然、僕の立っている前の座席の乗客が途中下車して、席
が空く。今日ははずれだった。
朝から20分の立ちっ放しはきついよなぁ。
しかも、いつものバス停からだいぶ離れたところでバスが止まってしまったので、
点字ブロックを探すのに一苦労して、時間もかかった。
でも、見えなくなってから、時間的に余裕を持って動くようにしているので大丈
夫。
ちょっとブルーになった気分をはげましながら目的地に向かう。
阪急電車は、いつものごとく混んでいて、
これは仕方ない。
四条で地下鉄に乗り換えようと動き始めたら、
サポートの女性の声。
早速肘を借りて歩き出したら、行き先も同じ駅。
楽チンで歩いて、電車に乗って、しかも予定外に座れて、
めったに使わない目的地の駅の改札口までスイスイ。
「ありがとうございました。」
「お気をつけて。」
笑顔の挨拶で、気分は一気にバラ色に。
ニュースでは、ぶっそうな事件が報道され、
危険な社会が強調される。
でも、人間の社会には、やさしい人がいっぱいいるんだよと、
今日も、講演先の中学生達に伝えました。
最後の講演を終えて帰る際、
寒い中、学校長はバスがくるまでずっと、僕と付き合ってくださった。
北風の中で握手した手が、やさしく感じられた。
バスは満員で、目的地までの40分間立ちっ放しだった。
でも、最終的に、僕の今日の運勢は、
プラスマイナスで算数しても、
やっぱりついてる一日でした。
ありがとう、やさしい人達。
(2012年12月8日)