今年の仕事納めはラーメン屋さんだった。
施設で暮らす全盲の女性とラーメン屋さんに出かけたのだ。
彼女は幼少期に光を失ったが、同時に家族とも縁がなくなってしまった。
それで施設で暮らしている。
社会経験は乏しいし、単独歩行もできない。
建物から外に出ることはほとんどない。
この社会にはいろいろな理由で建物の中で人生を送る人達がおられる。
病院であったり施設であったりだ。
社会の目に留まることはないので、その存在さえもあまり知られていない。
でも、実際におられる。
僕はたまたまピアカウンセリングという仕事で出会うことがある。
「夢は何ですか?」
彼女に問いかけた。
僕の問いかけに返ってきたのがラーメン屋さんに行くことだった。
そのくらいの夢なら僕にもお手伝いはできるかもしれない。
ただ、僕だけでは無理だったので、目が見える友人の協力を受けて実現した。
彼女は一杯のアツアツのラーメンをおいしそうに食べた。
今年最後の仕事、収入にはつながらない仕事だった。
僕には結構多い仕事かもしれない。
一緒にラーメンを食べながら、僕自身も幸せを感じていた。
幸せを感じられる仕事をできるのはまさに幸せなことだ。
一年を振り返ると、今年もほとんどこれまでと変わらない量の仕事をした。
27年前に失明した時、僕にできる仕事は何もなかった。
出発は悔しさだったと思う。
少しずつ仕事は増えていった。
僕にできる仕事をこれからもやっていきたい。
幸せを感じながらやっていきたいと思う。
2024年度 活動記録
小学校 14校
嵯峨野、光徳、陵ヶ岡、梅小路、久世西、川岡、修学院第二、松ケ崎、平佐西、川内
、隈之城、下鳥羽、朱雀第七、松陽
中学校 10校
槙島、向島東、洛星、南宇治、洛西、桂川、城陽、梅津、凌風、西小倉
高校 7校
京都海洋、枚方なぎさ、潤徳女子、長尾谷、成城、同志社、春日丘
専門学校・大学 10校
京都福祉専門学校、京都YMCA国際福祉専門学校、京都医健専門学校、大阪医療福祉専
門学校、京都文化医療専門学校、川内看護専門学校、龍谷大学、大谷大学、四天王寺
大学、同志社女子大学
その他
社会人対象の講演
同行援護関係の活動
諸々の執筆活動
(2024年12月31日)