寝坊してしまった。
10時の会議には間に合いそうになかった。
外は雨降り、
学生時代に、仮病による休みという理由を使い果たしている僕は、
仕方なくタクシーを呼んだ。
道は込んでいて、会議にはぎりぎりのセーフだった。
会議の行われたライトハウスは、
一年に一度のお祭りで、
たくさんの人でごった返していた。
会議はスムーズに運び、
予定よりも少し早めに終わった。
僕は、午後の用事までのわずかな時間、ライトハウス祭りを覗くことにした。
館内のサポートをしてくれたのは、
ボランティアで協力してくれている、視能訓練士を目指している専門学校の学生
だった。階段を上って、少し歩いたところで、
「ブログ、毎日読んでいます。どんどん書いてください。」
彼女が突然、耳元でささやいた。
ちょっと疲れを感じていた身体に、
彼女の肘を通して、エネルギーが注がれていくような感じだった。
素直に、うれしかった。
彼女は、きっといつか、眼科のスタッフとなるだろう。
そして、僕の後輩達に出会うだろう。
人間のぬくもりが感じられる医療スタッフになるに違いない。
いつか、現場で白衣を着て活躍している彼女に会いたいと思った。
ライトハウス祭りには、医療だけでなく、
福祉や教育を専攻している学生達もたくさん参加してくれていた。
同じ未来を見つめる仲間達だ。
ありがとう。
そして、それぞれの世界で、がんばれ、卵達!
(2012年10月28日)