ひょんなことで出会う。
時々ある。
最近も二人に出会った。
どちらも50歳台の男性、緑内障でだいぶ見づらくなっておられた。
個別にそれぞれの方とお会いした。
文字を読むと言う当たり前のことが難しくなってきておられた。
外出が大変になってきておられた。
そこには27年前の僕がいた。
できていた事ができなくなってくる。
できないことを数え始める。
挫折感を感じながら呆然とした。
社会から取り残されていくような孤独感、息を吸うことも吐くこともしんどかった。
そして何も見えなくなったらという恐怖感に包まれた。
僕は僕の知っていることを少しでも伝えたいと思ってしまう。
無意識に応援してしまう。
必死になって応援してしまう。
ひょっとしたら、今はそっとしてあげるのがいいのかもしれない。
でもつい必死になって話しかける僕がいる。
27年前の僕に僕は話しかけているのかもしれない。
「大丈夫です。」
脈絡のない意味不明の言葉が口元からこぼれる。
そして僕に問いかける。
僕にできることって何だろう。
(2024年6月8日)