八泊九日の旅の翌日、
専門学校の1時限目の授業はきつかったけど、
なんとか無事終えて、
ランチは、久しぶりに、町家カフェさわさわへ行くことにした。
さわさわまでは、学生の手引きで、のんびりと寺町通りを歩いた。
さわさわには、外国人のお客様がお二人だけだった。
カレーと、げんきコーヒーを頼んだ。
げんきコーヒーは、スタッフのげんき君がいる時だけあるメニューで、
わざわざコーヒー豆をひいてから入れてくれる極上の一杯だ。
さわさわを出て、バス停で学生と別れた。
バスに乗るとすぐに、
空いてる席を教えてくださる声がした。
彼女の後ろの席に座った。
しばらくして、彼女が話しかけてきた。
「迂回運転で、四条河原町は通りませんよ。」
「ありがとうございます、烏丸まで行くので大丈夫です。」
間もなく、バスは、渋滞に入った。
バスの横を、太鼓や鐘の音が通り過ぎた。
「時代祭が終わると、紅葉が始まりますね。」
後部座席から声が聞こえた。
「これから、秋が深まりますね。」
また、別の席からも声が聞こえた。
僕に席を教えてくださったご婦人が、
時代祭には最高の秋晴れであることを教えてくださった。
渋滞で遅れているバスに、クレームを言う人はいなかった。
乗り合わせたバスの中で、
僕達は、秋の祭りを楽しんだ。
烏丸に着いて、バスを降りた。
先ほどのご婦人が、まるでともだちのように、
僕をサポートしてくださった。
いや、バスの中で、僕達はともだちになった。
(2012年10月22日)