今年度最初の小学校での福祉授業は京都市山科区にある小学校だった。
僕の家からはバスとJRと地下鉄を乗り継いで1時間くらいの場所だ。
3,4時限目の授業だったので春風に吹かれながらのんびりと出かけた。
以前別の小学校で出会った先生が声をかけてくださって実現した福祉授業だった。
先生は異動された小学校でもたまたま依然と同じ4年生を受け持たれた。
総合学習で取り組むテーマも同じような内容だったらしい。
それで僕を思い出してくださったとのことだった。
こういうのを縁というのだろう。
僕にとってはとてもうれしい有難い縁だ。
子供達と過ごす時間はいつもとても豊かだ。
僕は僕や仲間のことを伝えながら子供達と一緒に障害について考える。
皆が一緒に暮らせる社会について考える。
最初少し緊張していた教室の空気は時間と共に和らいでいく。
そしてあちこちで輝き始める。
未来に向かって輝き始めるのだ。
子供達と話、子供達に問いかけ、たまには笑いも起こる。
思いを伝える部分では子供達は真剣な眼差しで僕を見つめて聞いてくれている。
最後の質問の中に「また見えたら何を見たいですか?」というものがあった。
僕に見せてあげたいという思いから生まれた質問だと分かった。
僕はありがとうを伝えた。
授業が終わるとたくさんの子供達が僕の帰り支度を手伝おうとしてくれた。
「ありがとうございました。」と声をかけてくれた子供も多かった。
教室を出る時にもう一人の先生が声をかけてくださった。
率直な心のこもった言葉をくださった。
教育は未来に直結すると僕は思っている。
だから先生方からのそういうメッセージはとてもうれしい。
僕はしっかりと頭を下げた。
今年度もまたいろいろな学校などで子供達に話をすることになるのだろう。
それはまさしく未来への種蒔だ。
今日出会った子供達が社会の中心となる頃、僕はもうこの世にはいないのだろう。
それでも未来へのバトンはきっと引き継がれていくと信じている。
ひとつひとつの機会を大切にしながら今年度も頑張っていきたい。
(2024年5月9日)