高校の同級生の訃報が届く。
特別に親しかったわけではないが、
18歳の頃の彼の笑顔を、おぼろげながら記憶している。
数年前の同窓会で、たまたま彼と隣り合わせで話をした。
彼は、彼の言葉で、
40歳で失明した僕に、エールをおくってくれた。
有難いと思った。
その時の僕達に、
彼の残りの人生があとわずかだなんて、
勿論、知る由もなかった。
僕も50歳を超えた頃から
もう、人生の折り返し地点を過ぎたのだろうと思うようになった。
なんとなく思うようになった。
でも、ゴールはまだもうちょっと先だろうと思っている。
何の根拠もないのに、勝手にそう思っている。
ただ、なんとなく、そう思っている。
去っていく命は、残っている者達へ、
その命の尊さと、はかなさを教える。
僕は、どうやって生きていけばいいのだろう。
確固たる信念はない。
最後まで、僕が僕であり続けてくれれば、
せめて、そう願う。
(2012年10月17日)