神戸の震災で犠牲になったまあちゃんを思い出しながら合掌した。
当時彼女は19歳だった。
そして僕は38歳だった。
運命の悲しさに呆然としたことだけを憶えている。
時は急ぐこともせず止まることもせず淡々と刻まれていくのだ。
29年の歳月が流れたらしい。
「災害は忘れた頃にやってくる」
子供の頃に憶えたことわざが消えていく。
あれから東北の震災があり、そして今年能登の震災が起こってしまった。
無事にここまで生きてこれたのは偶然なのかもしれない。
そして僕は戦争のない時代をここまで生きてこれた。
これも偶然なのかもしれないと最近のニュースを聞きながら思ってしまう。
ちなみに僕の父親は徴兵されて終戦後はシベリアに抑留された経験を持っていた。
「戦争はしてはいけない。」
口癖だった。
理由は言わなかった。
言えなかったのかもしれない。
平和が続くことを祈る。
百年先もそうでありますようにと願う。
そして今被災されている人達の日常が少しでも早くもどりますようにと願う。
ありふれた日常、そこに本当の幸せがあるのかもしれない。
(2024年1月17日)