同行援護養成研修の最終日の午後は戸外実習だった。
いろいろな立場の受講生と歩いた。
パートナーが視覚障害者という方もおられた。
娘が視覚障害者だという方もおられた。
家族ならではの思いが溢れていた。
教育関係者もおられた。
生徒達への愛情をまぶしく感じた。
視覚障害児と接する立場にあるという養護教諭の先生はやさしさに満ちていた。
流された涙が光っていた。
心からのエールを送った。
福祉の専門家もおられた。
「これまでの自分の理解が薄っぺらかったと思う。」
そうおっしゃった男性はどういう立場で受講されたかは忘れてしまった。
そんな言葉を紡ぐ彼を僕はかっこいいと感じた。
きっと誠実に仕事をされてきた方なのだろう。
訪問介護に携わっておられる女性にはプロフェッショナルとしての姿勢を感じた。
一緒に歩きながら、僕もこういう人に介護して欲しいと思った。
そんなことを考えてしまう年齢になってきたということだろう。
受講生の代表として修了証書を受け取ったのは高校生の男の子だった。
彼自身の人生がきっと豊かになるだろう。
研修が終了して挨拶にきた女性は20歳代だった。
「小学校の時に松永さんの講演を聞きました。今回の研修で話された内容もいくつか
憶えていました。」
きっとその時、彼女は10歳くらいだったはずだ。
無性にうれしかった。
不思議な再会に僕は握手をした。
妻が20年くらい前に僕のサポートをしてありがとうカードを持っていると教えてくだ
さった受講生もいた。
長い間、活動を続けてきたのだとしみじみと思った。
僕は受講してくださったすべての人にありがとうを伝えた。
皆さんから頂いたぬくもりがまた僕のパワーとなっていく。
僕は講師という立場だ。
でも教えながら教えられている。
教えられていることの方が大きいような気がする。
教えられていることに気づく時、うれしくなる。
そしてもっと学びたいと思う。
(2023年11月27日)