日曜日は京都府南部にある城陽市での同行援護研修に参加した。
9時スタートだったので7時過ぎには家を出た。
研修は終日だった。
受講生の皆さんが真剣に取り組んでくださっているのが伝わってきて、僕も気合を入
れて対応した。
帰路京都駅で友人と軽く食事をして帰ったら最終バスにギリギリセーフだった。
タイガースの優勝だけを確認してベッドに吸い込まれた。
翌日の月曜日、鳥取県の倉吉市での研修にお招き頂いた。
これは始発のバスでも間に合わないので6時前のタクシーを確保して動いた。
4時には起床だった。
連日の早朝出発は少しきつかった。
京都で特急電車に乗り継いで4時間、結構遠かった。
鳥取県は東西に長いということで、その中部に位置する倉吉市が会場に選ばれたらし
い。
研修の前のランチタイム、駅の近くのレストランで関係者と過ごした。
接客も良かったし、お世辞抜きで美味しかった。
食いしん坊の僕はすっかり上機嫌になった。
単純で分かりやすい性格だ。
研修会場には鳥取県の視覚障害者の方も来られていた。
研修が始まるまでの時間を僕は皆さんと懇談しながら過ごした。
紡いでくださる言葉にはぬくもりがあった。
そこにはお互いを励まし合う力があった。
初めて出会ったはずなのに、昔からの友達みたいに話してくださった。
うれしかった。
「先輩達が頑張ってこられたからここまでこれた。」
そうおっしゃった視覚障害者の方は僕より先輩だった。
片意地を貼らない言葉をかっこいいと感じた。
僕が17歳の頃、視覚障害者の外出をサポートする制度が日本でスタートした。
それまでは、家族と歩くか友人と歩くか、そして命がけで歩くかのどれかだった。
そこを生き抜いてこられた先輩の言葉には重みが感じられた。
僕は同行援護という視覚障害者の外出を保障する制度の連絡会の責任者をしている。
僕の能力では少し荷が重い役職だ。
ただ、こうして日本の各地のいろいろな人に出会える役得には感謝している。
仲間の皆さんの声を伺いながら、少しでも前に進めたいと強く思う。
会場には目が見える関係者が多くこられていた。
僕達と同じ未来を見つめて一緒に歩いてくださる人達だ。
寄り添ってくださっている人達だ。
そういう人達がおられて歴史が動いてきたことを僕は知っている。
集ってくださった人達に心から感謝した。
帰宅して、先輩が教えてくださった「カジカガエル」の鳴き声をインターネットで聴
いた。
確かに美しかった。
豊かな一日となった。
(2023年11月7日)