5年程前、京都ライトハウスで、ハンドベルコンサートがあった。
確か、クリスマスの頃だったような気がする。
中学校のハンドベル部が、僕達に澄んだ音色を届けてくれたのだ。
その時の少女が、看護を学ぶ大学生となって、
再び僕の前に現れた。
ボランティアとして、僕のサポートをしてくれたのだ。
雨風の中、傘を持って、僕に肘を貸して歩く姿勢には、
何か力強ささえ感じた。
歩きながら、あの澄んだ音色が、遠くで聞こえるような気がした。
僕は、あの時の少女も、ちょっと大人になった大学生も、
勿論、見たことはない。
でも、確かに、少女は成長していた。
交わす言葉の端々に、
生きることと向かい合う若者特有の真剣さがあった。
まぶしくも感じた。
僕自身はどうだろう。
5年前と、今日の僕。
ちょっと恥ずかしくなる。
定年予定までの後10年。
まだまだ頑張らなくちゃ。
もうちょっと、頑張らなくちゃ。
希望を見つめて、しっかり歩かなくちゃ。
(2012年10月2日)