歯科衛生士養成の専門学校で講義の時間を頂いた。
昨年に引き続いてのことだった。
僕はいつも社会のすべての人達に視覚障害を理解して欲しいと思っている。
そのために正しく知る機会が大切だと思っている。
その中でも特に接する可能性のある人達への思いは強い。
そういう意味でも今回のような機会は本当に有難い。
何故なら僕達も歯医者さんに行くからだ。
見える人達と同じように安心して気持ちよく医療を受けたい。
だから医療スタッフになる人達に話を聞いてもらえるのは願ってもないことなのだ。
そしてこういう場合の担当の先生方のモチベーションは学生達の学ぶ姿勢にも少なか
らず影響する。
今回は最高だった。
僕を紹介してくださった先生は予定通りだったが、学校の担当の先生も僕の思いを受
け止めてくださったのがしっかりと伝わってきた。
僕はうれしい気分で講義をスタートした。
いつものことだが、僕は目の前の灰色の世界に向かって話をする。
学生達の姿も表情も何も分からない。
ただ思いをこめて話をする。
受け止めてくれる学生達がいるはずだ。
そしてその学生達が数年先に現場で働く。
そこで医療を受ける視覚障害者はきっと安心する。
笑顔になる。
そう思うから僕自身の心にもスイッチが入る。
ついつい一生懸命になってしまう。
帰りはお招きくださった先生が電気自動車で自宅まで送ってくださった。
電気自動車は初めての体験だった。
静かな社内でいろいろな話をした。
今日の学生達がいつも以上に真剣に講義を聞いていたと教えてくださった。
同世代の先生とそれを喜びながら、そして未来の話をしながら過ごした。
電気自動車の空間がとても心地よかった。
先生は自宅まで送るとはおっしゃっていなかったので僕は到着するまでそれに気づか
なかった。
ちょっとご足労をかけてしまったと反省したが先生のご好意がうれしかった。
次回、もう一度伺うことになっている。
次回はサポート技術の実習だ。
豊かな時間を過ごしたいと思う。
(2023年5月23日)