仕事柄、いろいろな場所でお弁当を食べる機会は多い。
街角のお弁当屋さんとかコンビニとかのお弁当だ。
リーズナブルだしさっと食べられるので重宝している。
たまに贅沢な幕の内弁当などを先方に準備して頂いてうれしくなることもある。
ちなみに、東京出張の帰りには東京駅の駅弁屋さんで浅草今半のすき焼き弁当を買う
ことにしている。
少々お高めだが自分へのご褒美だ。
新幹線が新横浜を過ぎたくらいからお弁当を開けて食べる準備をする。
蓋を開けると微かに香りがしてくる。
幸せのひとときだ。
見える人と一緒に食べる時、よく面白いなと感じることがある。
僕にお弁当を渡される時、ついでに割り箸を割ってくださるのだ。
実は見えなくても割り箸は割ることができる。
そんなに難しいことではない。
お弁当を開けた時、危ないからと緑のバランを取ってくださる人もおられる。
見えないと間違ってお箸でバランを掴んでしまうことはある。
口まで持っていくこともある。
唇などの触覚ですぐに気づく。
その時点で取れば問題はない。
僕もそうだが僕の仲間でも、バランを食べてしまったというのは聞いたことがない。
割り箸もバランもどちらも善意なので僕は拒否はしないことにしている。
お弁当の中身を説明してくださる人もいる。
これは喜ぶ視覚障害者が多いかもしれない。
僕はあまり希望しない。
早く食べたいという気持ちが勝ってしまうのだと思う。
結果、口に入れるまでどんなおかずなのか分かっていない。
たまに食後の甘いお菓子を途中で食べてしまって悔しい気持ちになることもある。
食べ終わる頃に小袋のソースに気づいてがっかりすることもある。
そんなことも含めて食べる楽しみなのだろう。
もうすぐ菜の花のお浸しやフキの煮物にも出会うかな。
たけのこご飯やエンドウ豆ご飯も楽しみだな。
見えなくても思いっきり食いしん坊なのだと思う。
(2023年2月9日)