講演が終わって後片付けをしている時だった。
主催団体の関係者である男性が僕の前に経たれた。
役職もある立場ということはきっともう50歳は過ぎておられるだろう。
挨拶も慣れておられるしイベントなどへの対応も数えきれないくらい経験しておられ
るはずだ。
僕自身の日常からしても中年男性は無難に過ごすことに長けているようだ。
街中でのサポートの声を分析すると、一番多い声は若い男性だ。
その次が中年女性、それから若い女性、高齢者、最後が中年男性かな。
勿論声だけの分析だし、あくまでも個人的な感想だ。
中年男性が周囲を気にせずにアクションを起こすには結構エネルギーが要るのだと感
じている。
僕の前に立たれたその中年男性は短い言葉を僕に伝えて去っていかれた。
「松永さん、感動しました。」
中年、いや高年の僕もやはり短い言葉だった。
「ありがとうございました。話を聞いて頂けて感謝です。」
会場を出て帰路についた車内で彼の短い言葉がリフレインした。
少しずつ喜びが沸き上がってきた。
短い言葉が真実だったということだろう。
伝える口調もまたそうだったのだろう。
僕自身の活動もそうなのかもしれない。
言葉の数などに頼ってはいけない。
心の中の本当の言葉を思いを込めて伝えることが大切なのだ。
僕自身も間違いなく彼の短い言葉に感動したということだったのだ。
(2022年10月21日)