庭の片隅に彼岸花が咲いた。
真っ赤な、いやあの燃えるような紅色の花だ。
今年は厳しい暑さの夏だった。
異常とも思える降り方の雨の日も幾日かあった。
つい先日は台風が吹き荒れた。
それなのに何事もなかったように咲いてくれた。
当たり前のように咲いてくれた。
お彼岸に併せて咲いてくれた。
僕は自然に合掌した。
生きていることに感謝した。
そしてこの同じ空のしたで起こってしまっている戦争を思い出した。
戦争のニュースにも慣れてしまっている自分を悲しく感じた。
あの国に彼岸花はあるのだろうか。
そっと咲いていて欲しいと願った。
(2022年9月21日)