新しいルートでの出勤が始まった。
水曜日は四条烏丸の高校、木曜日は午前が向島の専門学校、午後が伏見区の大学だっ
た。
石橋を叩いて渡るという感じだ。
幾度も歩いて頭の中の地図を整理した。
それにしても見えないというのは不便なことだ。
初めてのバスに乗車してつり革を握ろうとして、つり革がないバスだと知った。
いろいろな種類のバスが運行されているのだ。
これまでの私鉄の駅のホームはフラットだったが、JRの駅のホームはガタガタで柱も
立っていてとても歩きにくい。
歴史があるという裏返しなのだろう。
朝の京都駅のラッシュもすごかった。
京都では横断歩道に点字ブロックが敷設されているのは当たり前だったが、新しい地
域ではそうではない。
それでもこの二日間だけでも大きな発見があった。
胸ポケットのありがとうカードが10枚以上消えたのだ。
途中で足りなくなったりもした。
つまり、あちこちでサポートしてくださったのだ。
困難、そこに向かう僕の姿はヨロヨロ、オドオドだったに違いない。
見てはおられない姿だったのかもしれない。
それに気づいた人たちが支えてくださったのだ。
あちこちに「ありがとう」の言葉を振りまいた二日間だった。
帰宅してどっと疲れている自分に気づいた。
そして幸せな気持ちになっている自分に気づいた。
どこに行ってもやさしい人達がいるのだ。
感謝して暮らしていきたい。
(2022年4月22日)