学生時代から暮らした京都を離れることにした。
40年くらいの団地生活だった。
ここ数年、先輩や仲間とのお別れに接しながら少しずつ考えていった。
京都での生活に不満があるわけでもないし、まだ隠居生活をする気もない。
京都にはあちこちに思い出もたくさんある。
でも、僕に残っている時間がどれだけなのか、それは誰にも分からない。
後悔しない人生を考えた時、すぐに答えが出た。
違う風を感じる街で少年時代のように暮らしたい。
少しの花を育てて、犬や猫を飼って・・・。
琵琶湖の風を感じられる街に小さな家を見つけた。
あちこち手直しすれば暮らすには十分だ。
何よりバス停から近い。
バスと電車を乗り継いで京都市内の学校などにもこれまで通りに通勤できる。
見えない人間の引っ越し、一歩一歩頭の中に地図を描いていかなければいけない。
気の遠くなる作業だしとても大変なことだ。
でも今なら、それに対応する体力と気力がまだ残っている。
決心した。
京都で出会った皆様、支えてくださった皆様、本当にありがとうございました。
残りの人生、いやこれからの人生、頑張って生きていきます。
(2022年4月9日)