雪が散らついたと天気予報士が開設していた。
いつか見た風景を思い出した。
咲きだした桜の枝に雪がうっすらと積もっている。
そして新しい雪が静かに舞っている。
ピンク色と白色がとても美しい。
見えなくなってからの風景だから実際には見てはいないはずだ。
それなのにまるで一枚の写真のように記憶に残っている。
こういう写真が時々思い出される。
自分でも不思議に思う。
それぞれの写真に共通するのは幸福感だ。
幸せな気持ちが記憶の中で化学変化して写真になっているのだろう。
忘れたくないという深層心理なのかもしれない。
大切な一枚を静かに見つめる。
熱いお茶を飲みながら桜餅を食べたくなった。
(2022年3月23日)