冬の丹後半島、同じ京都府なのだが景色は一変する。
歩道は積み上げられた雪で通れない。
ボランティアさんと一列になって車道を歩く。
大きな車音がしたので尋ねると除雪車だった。
暮らしている人達が大変なのは想像できる。
それでも旅人の僕はうれしくなってしまう。
この地域に来たら立ち寄ることにしている食堂でお刺身定職を頂いた。
やっぱり新鮮で美味だった。
隣席の男性がおいしいからと大根の煮物をお裾分けしてくださった。
都会では姿を消してしまった交わりだ。
「ご馳走様でした。」
合掌した自分の掌のぬくもりに気づく。
笑顔になる。
腹ごしらえを済ませてから会場に向かった。
高校とPTAの合同の研修会だ。
僕はいつもの通りに話をした。
17歳との会話、まさに未来との会話だ。
高校生が僕の年齢になる頃、僕はもうこの世にはいない。
この国がこの星が今よりも輝いていて欲しいと願う。
そして一人一人がそれぞれに幸せであって欲しいと願う。
終了後、校長先生が飾らない言葉で思いを伝えてくださった。
そしてまた来年もとおっしゃってくださった。
有難いことだと思う。
帰り際には顔なじみになった先生が追いかけてきて激励してくださった。
たくさんの人達に支えられての活動だ。
駅まで車で送ってくださった先生がそっと教えてくださった。
昨年紹介した視覚障害者サポートのアプリを自分のスマートフォンに入れてくださっ
た先生がおられるそうだ。
そういう一歩がまさに未来につながっていくのだ。
怒られるかもしれないけれど、また来年も雪景色であって欲しいな。
カニでも食べることにしようかな。
(2022年2月12日)