夏休みが終わって大学の授業が再開した。
前期が終わる頃にやっと対面になったのに、
後期はまたオンラインでの授業となった。
僕は誰もいない教室で授業をした。
その方法にもすっかり慣れてしまった。
パソコンの画面に向かっての話はする方にも淋しさがある。
仕方ないという思いだけがこの方法を受け入れているのだ。
授業の最初に「夏休みに感じた障害者のこと」ということで学生達に話をしてもらっ
た。
「バイト先のレジに耳の聞こえない方がこられたので、咄嗟にポケットにあったメモ
帳を使って筆談をしました。
最後に、ありがとうと書いてくださってうれしかったです。」
「パラリンピックの協議を見て、自分が骨折した時のことを思い出しました。」
「帰宅する時に腕がつってしまって車椅子を動かせなくなってしまっている女性と出
会いました。車椅子に乗った経験があったのですぐに理解できました。その方の行か
れようとしていたコンビニまで車椅子を押しました。」
「駅で困っていそうな視覚障害者の方がおられたので、初めて声をかけました。」
「パラリンピックのゴールボールという協議をテレビで観戦して感動しました。」
学生達はそれぞれの夏休みの1コマを紹介してくれた。
そこには大学で社会福祉を学びながら、
成長していく若者達の姿があった。
キラキラとしていた。
ぬくもりが感じられた。
僕はどんどんうれしくなった。
ずっと学生達の話を聞きたいという思いになった。
オンラインでも頑張っていい授業をしなければと、
当たり前のことを再度自分に言い聞かせた。
そして早く、対面の授業になればいいなと思った。
(2021年9月18日)