暑さの中でふと思い出した。
この夏、僕はまだひまわりを見ていない。
それだけ外出の機会が減ってしまっているということだろう。
夏になれば毎年どこかでひまわりに出会った。
そしていつもうれしく感じた。
自分の命が夏の中で生きていると感じていたのだと思う。
それを教えてくれる花なのだろう。
僕が見るというのは触るということだ。
ひまわりに出会うとまずその高さを触った。
それから黄色の花弁、花の中央の種になる部分を触った。
大きな葉っぱも太い茎もそれぞれを触った。
手から夏のエネルギーを感じたような気がする。
もうどれくらい前だろう。
ひまわり畑に出かけたことがある。
一面のひまわり、実際には見てはいないはずなのに忘れられない映像だ。
思い出がキラキラと輝いている。
今年の夏、このまま夏を終えるのは残念過ぎる。
せっかくの夏、どこかのひまわりに会いに行こう。
(2021年8月7日)