気温が30度を超すようになって朝の散歩を中止した。
マスクをしての散歩はきつ過ぎるのだ。
近くに人がいない時はマスクを外してもいいとのことだが、
僕達は近くに人がいるかが分からない。
外してもいい場所とタイミング、見えないと難しい。
コロナ禍、仕事もプライベイトも含めて外出の機会はだいぶ少なくなってしまった。
家にいたらついおやつを食べてゴロゴロしている。
体重計に載るのが怖くなっている状態だ。
困ったものだ。
地域にある福祉施設での仕事、せめてこれくらいは歩いていくことにしている。
月に2回だけなので気分的にも苦にはならない。
今朝も歩いて出かけた。
僕の足で30分、2キロはないだろう。
8時を過ぎたくらいの夏の朝は既に過酷だった。
セミの合唱をうるさくも感じながら青息吐息で歩いていた。
「松永さん、おはようございます。大丈夫ですか?」
女の子の声だった。
僕の福祉授業を受けてくれた地域の中学生だった。
彼女はこれからテニス部の練習に向かうらしい。
「大丈夫だよ。ありがとう。」
僕は彼女と別れてまた歩き始めた。
「気をつけてくださいね。」
背中から彼女の明るい声が追いかけてきた。
中学生、テニスの朝練、夏がよく似合う気がしてうれしくなった。
中学校の頃のガールフレンドがテニス部だったのを思い出した。
ラケットを持った笑顔を思い出した。
キラキラとした笑顔だった。
夏の映像だったような気がする。
うれしくなった。
(2021年8月2日)