1967(昭和42)年3月18日、日本で初めての点字ブロックが岡山県で敷設された。
岡山県立岡山盲学校(当時)の生徒が登下校の際、利用していた旧国道2号線の横断
歩道に230枚の点字ブロックが敷設されたのだ。
「視覚障害者の人間としての自立のために」という夢に向かった人達が私費を当時て
のことだった。
最初に関わった人の動機は白杖の人の直前をトラックが橋っていった光景だったらし
い。
白杖の人が安全に歩ける社会がその人の自立につながっていくはずだ。
夢に向かう力は受け継がれ、広まり、大きな力となっていったのだ。
そして、僕は毎日それを利用している。
毎日、その恩恵に授かっている。
白杖の先で、足の裏で、点字ブロックを確認する。
横断歩道、バス停、駅のホーム、階段、そのすべてが安心につながる。
感謝という言葉だけでは伝えきれない思いがある。
人間同士、人が人を思いやるということは素晴らしいことなのだろう。
社会が成熟していくというのはそういうことなのかもしれない。
点字ブロックは海を越えて、現在75の国や地域で使われているらしい。
海外の視覚障害者が笑顔になったのかもしれないと想像すると、それだけで僕もうれ
しくなる。
(2021年3月18日)