放課後の会議室、
1年生から6年生までの先生方が集われた。
新学期の授業が始まったばかりとのことだった。
世間にはまだお正月気分も残っていたが、
会議室の中には厳しい感じの空気が漂っていた。
真剣さが作り出す空気だった。
十数年前に僕の話を聞いてくださった先生方がお招きくださったのだ。
後輩の若い先生方にも僕の話を聞かせたいとのことだった。
光栄なことだと思った。
正しく知る機会が大切だとおっしゃった。
同じ空間で当事者の思いを聞くことに意味があるともおっしゃった。
僕は一生懸命に話をした。
教育は未来を切り開いていく大きな力となる。
先生方が子供達に与える影響を考えると身が引き締まる思いがした。
研修会が終わって、一人の先生が声をかけてくださった。
「松永さん、一緒に帰りましょう。家が近所です。」
僕はともだちと帰るような感覚で学校を後にした。
目が見えても見えなくても、
人間と人間はやっぱりともだちなんだと思った。
いい仕事始めとなった。
(2021年1月10日)