確かにそれは僕が書いたものなのかもしれない。
それを人間の声に載せることで別の命が生まれるのだ。
それぞれの人間の持つ声のぬくもりが変化を齎す。
同じ作品が読み手によって様々に変化していく。
素材が料理人によって変わっていくことに似ている。
深くなったり美しくなったり、或いは意外な味を醸し出したりする。
それぞれの人間の声がそれぞれの魂から生まれてくるということだろう。
これまでもいろいろな声が僕の作品を読んでくださった。
カセットテープやCDに録音されたり電波に載ったりした。
有難いことだと思う。
光栄なことだと思う。
そしてまた新しい形の朗読が始まった。
インターネットで聞くことができるのだ。
僕のホームページのリンク先にある
「06風の朗読サイト」
一度味わってみてください。
目を閉じて味わうのが秘訣です。
コーヒーでも飲みながら。
(2020年11月29日)