薩摩川内市に滞在する時はいつも同じホテルを利用している。
もう10年以上になるだろうか。
ホテルは友人宅から近い場所に立地している。
ちょっと困った時などにすぐにかけつけてもらえる距離だ。
部屋は3階のエレベーターから一番近い場所に準備してくださる。
鍵はカードキーでもないし、部屋も広くはない。
ただ、昔ながらの小さなビジネスホテルだから部屋の窓を少し開けられる。
朝、新鮮な空気を取り込めるのだ。
これはとってもうれしい。
いつも同じなのだから頭の中の地図に従って単独で2階まで行ける。
2階には朝食のバイキングがあるらしいのだけれど、それは僕には難しい。
スタッフの方がフロントの横の個室に準備してくださる。
それもたくさんの料理を準備してくださって、食後のコーヒーまで入れてくださる。
僕にとって一年で一番豪華な朝食となっているかもしれない。
薩摩川内市で僕の話を聞いてくれた人の数は子供達を中心に1万人を超えている。
人工10万人の地方都市だからその割合は凄いことだと思う。
高校時代の同級生達がいろいろな形でサポートしてくれた結果だ。
今回も、自分が幸せかどうかは自分で決めることだと子供達に話しをした。
障害と幸せは関係ないことも伝えた。
友人が差し入れしてくれた好物の海苔巻きお煎餅をかじりながら、
僕はどう考えても幸せ者だと自覚した。
そして、このいつものホテルをいつの間にか大好きになっていることに気づいた。
(2020年10月18日)