東京での会議の後、久しぶりに銀座を歩いた。
人通りはやはり少な目だった。
行き交う人たちは皆マスクを着用しておられるとのことだった。
ブランドの店が立ち並ぶ通りも静かに雨に濡れていた。
喧騒はどこにいってしまったのだろう。
自分の足音を聞きながら、異次元にいるような感覚になった。
いつかどこかで観たSF映画の中にいるような気にもなった。
人類とか地球とかいうスケールの単語が頭の中でゆっくりと回転した。
怯えからきているのか希望から生まれているのか分からない。
自分自身の命や人生の時間まで思いを馳せた。
どうなることでもないし、無力の前にいる自分自身も感じている。
この雨のように静かに生きていけたらいいなとなんとなく思った。
雨空を眺めてみたいと思った。
(2020年7月6日)