晴れ渡った空。
空の蒼さを風が教えてくれている。
風に吹かれているだけで気持ちいい。
地球ができた時からずっと、風は吹き続けていたのだろうな。
あっちにこっちに吹いていたのだろうな。
そんなことを考えながら深呼吸する。
それからもう一度空を眺める。
いつかどこかで見たこいのぼりを思い出す。
今日はこいのぼりの鯉も喜んでいるだろう。
記憶が少年時代の鯉につながっていく。
近所の川で鯉釣りをした。
いつもは鮒しかつれなかったが、大雨の後などは鯉が釣れた。
養魚場の鯉などが流れ出ていたのだ。
それを釣って家の池で育てた。
金色、赤、白、紅白、綺麗だった。
毎日のように釣りにでかけて、夏休みの宿題ができなかったことも憶えている。
時間がゆっくりと流れていた。
あの頃、豊かさって何だろうなんて考えたことはなかった。
でも、確かに豊だった。
今年は考える時間はありそうだ。
もう一度考えてみよう。
豊かさって何だろう。
残された人生を豊かに過ごすにはどうしたらいいのだろう。
そのために生きているのだから。
風、ありがとう。
(2020年5月8日)