「つつじが咲きはじめました。
時間が止まってるように感じてたから、ドキッとしました。
白もピンクも朱色もあります。」
突然飛び込んできたメールは鮮やかに彩られていた。
春が歩いていることを教えてくれていた。
立ち止らない季節が時を伝えていた。
読み終えた僕もドキッとした。
僕の時間も止まりかけていたということだろう。
今このひとときも、本当はとても大切で貴重なものなのだ。
背筋を伸ばして顔を上に上げた。
気合を入れて立ち上がってベランダに出た。
遠くを眺めた。
春を眺めた。
光を眺めた。
笑顔になった。
(2020年4月24日)