ライトハウスでの理事会が終了したのは15時半過ぎだった。
16時半のさわさわでの職員面接にぎりぎりのタイミングだった。
晩秋の京都の好天の日曜日、道も駅も大混雑なのは予想できた。
僕は瞬間的に頭の中でルート設定をした。
そしてバッチリのタイミングでバスに乗車した。
乗客がすぐに空いてる席を教えてくださった。
座席に座ってほっとした。
何とかなるかなと漠然と考えていた時だった。
「松永信也さんですね。」
先日講演にお招き頂いた中学校の生徒達だった。
話しかけてくれた時から彼女達は笑顔だった。
僕は3人と自然に握手した。
映画を見に行った帰りとのことだった。
映画の感想などを聞いているうちにバスはターミナルに着いた。
地下鉄の改札口まで彼女達がサポートしてくれた。
何の問題もなくスイスイと歩いた。
僕が一人で動くのと比べればはるかに早く動くことができた。
改札口で彼女達にお礼を伝えてホームに向かった。
ホームに着くのと同じタイミングで電車が到着した。
僕は昨日の今日と自分に言い聞かせながら慎重に乗車した。
もういないはずの少女達の笑顔が見守ってくれているような気がした。
有難いことだと心から思った。
(2019年12月2日)