今夜は満月が綺麗に見えるとラジオから流れた。
僕も見ようと即座に自然に思った。
子供の頃から夜盲の症状があった僕は星は見えなかった。
でも月ははっきり見えていた。
夜道をいつも後ろから付いてくる月は特に好きだった。
いろいろな月をいろいろな場面で眺めた。
思い出を時々月光が照らしている。
美しい思い出だ。
「今夜の月は大きくて綺麗ですよ。」
見えなくなってからも教えてもらうことがある。
その方向の夜空を眺める。
なんとなくうれしくて立ち止ることさえある。
画像があるかないかは関係ないくらいに見えないことに慣れてしまった。
それがいいのかどうかは分からない。
ただ自然に月を眺める。
心で見ているなんて気恥ずかしくて言えないが、
確かに月を眺めている僕がいる。
空気が冷え込んでくる時期にはその美しさも増すのだろう。
今夜は満月。
日本中が秋晴れらしい。
見える人も見えない人もしばしご覧あれ。
月を眺める人達がその瞬間をどこかで共有しているかもしれない。
そう思うとなんか幸せも満月ですよね。
(2019年11月12日)