甘いメロンの香りが鼻腔をくすぐった。
脳まで沁みていくのを感じた。
スプーンやフォークで食べるのが上品なのかもしれないが、
僕は六つ切りになったメロンの両端を掴んで頬張った。
唇から鼻の頭までベタベタにしながらメロンを味わった。
送ってくれた北海道の友人の可愛い笑い声が聞こえそうな気になった。
特徴のある笑い声だった。
京都からは遠いから、また会う予定も今のところはない。
自分が元気だよと伝えるために、
僕に元気で頑張れよと励ますために送ってくださったのだろう。
一期一会という言葉を思い出した。
人間同士っていいなと思った。
食べ終わってラジオをつけたら、夏至になったことを知った。
メロンの残り香の中で夏の始まりを感じた。
(2019年6月24日)