専門学校の卒業式に出席していてふと気づいた。
昨年までおられた先生の姿がなかった。
先生は牧師という仕事をしながら専門学校の非常勤講師をしておられた。
入学式や卒業式では大きな声で讃美歌を歌ってくださった。
僕はその歌声が大好きだった。
不思議と心に沁み入るような感覚になった。
先生が講師という仕事を卒業されたのだと分かった。
淋しい気分になった。
そんな中で今年の卒業生の名前が呼ばれ、卒業証書が手渡された。
自然に拍手をしていた。
拍手には力が籠った。
拍手ををする毎に気持ちはどんどん清々しくなっていった。
専門学校の学生達は若者ばかりではない。
僕と同世代という学生も珍しくはない。
それぞれの学生がそれぞれの人生で踏み出そうとする一歩を力強く感じた。
そして美しいと思った。
一人一人の人生に幸あれと心から願った。
(2019年3月23日)