久しぶりに夢を見た。
高校時代の友人と再会する夢だった。
駅の改札口の近くで彼は待っていてくれた。
眼鏡は昔と変わっていなかった。
体格も服装も普通のおじさんだった。
ただ、黒々としていた髪は白くなっていた。
顔にも少しシワが出ていた。
笑顔はそのままの気がした。
声もそんなに変化はなかった。
でも、歳月の流れは感じた。
握手をしてそれから彼の肘を持たせてもらって歩き始めた。
そこで気づいた。
僕は見えないはずなのにどうして彼の顔が見えるのだろう。
見えるはずがないのにどうしてだろう。
そう思いながらまた彼の横顔を見つめた。
しばらくして、夢から覚めた。
夢だから話に一貫性も合理性もない。
それは理解できるのだが、
見たことのない現在の彼の顔がしっかりと出てきたのはどうしてだろう。
不思議な感覚でしばらく呆然とした。
夢占いでもしてみたい気分になった。
とにかく、今度会ったら髪の毛がどうなっているか尋ねてみよう。
もしハゲていたら、なんとなくショックだな。
(2019年3月19日)