視覚障害の仲間達との初詣に出かけようとして、
さわさわの玄関を出た瞬間、顔にお日様の光を感じた。
正確にはおでこでぬくもりをキャッチした。
僕にとっては今年最初のお日様だ。
初日の出かな。
目で光を確認できなくなってもう20年、それが当たり前で暮らしている。
慣れているから特別な感傷もない。
時々目の前がどんな感じなのかと尋ねられる。
目の前はグレー一色だ。
明るいコンクリートの壁のような感じかな。
これは人によって違うらしく、白色という方も黄色という方もおられる。
黄土色という方、緑っぽい色という方もおられた。
不思議と、黒という方はあまりおられない。
光が分からなくなるということは影も分からなくなるということなのだろう。
グレーとかの色は視覚からのものではなくてそれぞれの脳が感じているものなのだ。
だからお日様に気づいてもその色は変化はない。
でも心は明るくなる。
うれしくなる。
やっぱりお日様はいい。
初詣の神社では入院している友達の回復だけを願った。
100円のお賽銭だから願い事はひとつだけにしておいた。
その後ひいたおみくじは大吉だった。
友達が笑ってくれたような気がした。
(1月8日)