15年程前、3人の日本の女性達は家族の仕事関係でそれぞれセブで暮らしていた。
そしてたまたま出会った。
彼女達はサントニーニョ教会の周辺で物売りをしている子供達のことを知った。
学校にも行かずに、いや行けずに物売りをしている子供達だった。
屈託のない笑顔の子供達は痩せこけていた。
彼女達は政治家でもないし宗教者でもない。
国が抱える貧困問題を解決するなんてできない。
大きなことはできない。
でも痩せこけた笑顔の子供達のために何かをしたいという思いを抑えることはできなかった。
3人は6人の子供達に小学校に通う機会をプレゼントした。
それがささやかなスタートだった。
賛同する人達が少しずつ増えていった。
2008年にNPO法人として組織化された。
現地事務所が開設されフィリピン人のスタッフも雇用された。
会員は間もなく100人となり支援している子供の数は40人近くになった。
僕は日本と言う国で生まれて、平和の中で今こうして暮らしていることに心から感謝している。
日本と言う国を愛している。
その暮らしの中で何かを否定する気はまったくない。
凡人としてありふれた幸せを求め続けている。
煩悩を抱えながら生きている。
これからもきっとそうだろう。
でも、少しだけ、地球人でありたいと思っている。
セブで出会った子供達は僕の手を握って自分の額にあてて祈ってくれた。
「bless you!」
貴方に神様のご加護がありますように。
僕は10周年イベントで子供達にメッセージを伝えた。
「将来どんな仕事をしたいか夢を持って頑張ってください。
教育は夢をかなえる力のひとつになります。
これからも支援を続けます。」
白杖を持つ手に少し力が入った。
自分自身への決意表明だったのかもしれない。
明日から新年度の仕事がスタートする。
また新しい気持ちで生きていこう。
EMS http://cebu-kodomotachi.jp
(2018年4月11日)