ランチは名古屋飯だった。
名古屋コーチンのだし巻、手羽先、味噌カツ、エビフライ。
関係者と歓談しながら食事をした。
風景のない僕はその土地の言葉や食事などが旅の楽しみのひとつになる。
風景がないというのは悲しいことなのかもしれないが、
人との出会いはそれを越えて幸せまで感じることがあるから素敵だ。
どこかで僕の本を読んでくださった方が講演を聞きたいと思ってくださる。
いつか講演を聞いてくださった人がもう一度と言ってくださる。
有難いことだと思う。
名古屋駅近くの会場はたくさんの人だった。
音訳、点訳、副音声の製作に関わっておられる人達などが集まってくださった。
視覚障害に関わるボランティアの方々だ。
僕はいつものように話をした。
目の前はグレー一色の状態なので自分がどちらを向いているのかは判らない。
演台を触ることで方向を確認している。
会場の皆様の顔も一人も判らない。
目隠しをして講演しているようなものだ。
それなのに僕はいつも笑顔で話をしているらしい。
無意識にそうなっている僕が要る。
未来を見つめた時、人は笑顔になれるのだろう。
ありがとうを伝える時、人は笑顔がこぼれるのだろう。
ということは、講演をしている僕は幸せということになる。
幸せをいただいているのかもしれない。
お招きくださる人達に、講演を聞いてくださる人達に、心から感謝したい。
(2018年2月2日)