「今夜はイブイブだよ。」
小学校5年生の少女と一緒にコンサートホールに出かけた。
大学の吹奏楽の定期演奏会だった。
目が見える頃も幾度もコンサートに出かけたが、
見えなくなってからの方がなんとなくしっかりと楽しんでいるような感じがする。
目の関係ではなくて年齢のせいかもしれないとも思う。
耳で聴いているのではなくて身体全体で聴いているのだ。
それぞれの楽器の音色、振動で震える空気、ホール全体が僕を包み込む。
心がゆっくりと微笑み出す。
自然とリラックスしていくのが自覚できる。
アンコールの拍手の中、学生達は赤い帽子をかぶったらしい。
クリスマスメドレーを聴き名ながら僕にもサンタが来てくれたような気になった。
ちょっと幸せなクリスマスになった。
(2017年12月24日)