早朝からの単独移動、仕事、それからまた場所を変えての重要な会議、
帰る時には久しぶりに疲労感を覚えていた。
夏の疲れも出始めているのかもしれない。
迎えにきてくれたボランティアさんの車の助手席でぼぉっとしていた。
後部座席にはボランティアさんの娘さん達も乗っていて、
その会話が空気を和やかにしていた。
僕は時々耳を傾けながらくつろいでいた。
車が坂道を登り始めてしばらくした時、
「あの雲で寝たい!」
何の脈絡もなく娘さんが突然声を出した。
僕は一気にうれしくなった。
真っ青な夏の空に真っ白な雲が浮かんでいるのだろう。
僕は空を眺めた。
僕もその雲でぐっすりと眠りたいと思った。
15歳の少女のキラキラした眼差しが夏にとてもよく似合った。
(2017年8月20日)