外出の際、右手にはいつも白杖がある。
だから使える手は左手だけということになる。
その左手は自由に使える状態にしておきたいから、
荷物は肩掛けカバンかリュックサックという人が多い。
僕はリュックサック派だ。
どこに行くにもリュックサックを背負っている。
毎日使うものだから愛着も大きい。
ポケットもたくさんあって機能的なのが好きだ。
歩いているのを周囲に知ってもらいたいから鈴もつけている。
他人にぶつからないためのひとつの方法だ。
リュックサックのどこに何が入っているかは手が憶えている。
例えば今日の中身は、
パソコン、500ミリのペットボトルのお茶、名刺、ハンコ、ボールペン、サインペン、
折りたたみ傘、予備の白杖、携帯ラジオ、ポケットティッシュ、エチケットブラシ、
櫛・・・。
そうそう、バスの中で席に座っていて、
膝に乗せていたリュックサックを背負おうとした時、
左から伸びてきた手がそっと手伝ってくれました。
性別も年齢も国籍も判っていません。
でもとってもやさしい手でした。
その思い出も今日のリュックサックには入っていました。
(2017年7月14日)